VAIO Zが搭載する第三世代ハイスピードプロSSDとは?
2016年11月15日、VAIO Zが更なる進化を遂げました!
VAIO Z フリップモデル/クラムシェルモデルにそれぞれ「第三世代ハイスピードプロSSD」が搭載されました。
今回はアクセス速度が飛躍的に向上している秘密や価格帯について説明していこうと思います。
今回は、「第三世代ハイスピードプロSSD」の記事です。
VAIO Z フリップモデル/クラムシェルモデルの実機レビューはこちらから
概要
VAIO Z フリップモデル/クラムシェルモデルに搭載することになった「第三世代ハイスピードプロSSD」とは何か?
従来のSSDとの違いについて説明します。
また、今回から容量に「1TB」が追加されました。
そのことに対する個人的な考察も書いていこうと思います。
第三世代ハイスピードプロSSDについて
今回、VAIO社が公開したパフォーマンス比較では、圧倒的な速さを叩き出しているのが、「第三世代ハイスピードプロSSD」です。
SATA方式の通常SSDと比較すると約6倍高速化したのが印象的です。
さらに、今までのVAIO Zが搭載していた「第二世代ハイスピードSSD」と比較しても約1.2 ~ 1.4倍近く高速化しています。
シーケンシャルリードとは?
第三世代ハイスピードプロSSDにおいて、飛躍的に向上したのが「シーケンシャルリード」の部分です。
シーケンシャルリードとは、読み出し方法のことです。
記憶媒体(SSD)の先頭から順番に読み出しを行う方法がシーケンシャルリードです。
特徴では、先頭から読み出しを行うということは、後のデータを読み出すのに時間が掛かってしまうことがあります。
ただし、HDDからSSDへ変わるだけでも、大きく時間が短縮されています。
しかし、その中でも毎秒約3.3GBのパフォーマンスは破格の数字と言えます。
これなら、大容量のデータの読み出しへのストレスも大幅に軽減されます。
個人的な体感なら、第二世代ハイスピードSSDでもほぼストレスを感じなかったので、とてつもなく快適なパフォーマンスなのは間違いないと思います。
SSD(SATA)より約6倍高速な理由
2016年2月18日に日本サムスンのセミナー「2016 Samsung SSD Forum Japan」にて、毎秒3.2GBのSSDを発表しました。
引用元:ASCII.jp × デジタル
これによると、今までの次世代SSDに加えて、大幅な変更が追加されている事がわかります。
5コア搭載の新コントローラ「Polaris」搭載
以前までのコントローラーにはCPUコアが3つ搭載されていましたが、今回の新コントローラーではCPUコアを2つ加えて合計5つのCPUコアを搭載しています。
コアを拡張したことはかなり有効で、
- 読み込みの40%高速化
- 書き出しの40%高速化
などで、全体的な高速化に大きく貢献しています。
PC Watch : Samsungの新SSD 960 PRO/EVOは10月発売。価格も明らかに
SSDが1TBまで搭載できるようになった理由
第3世代 V-NAND(MLCタイプ)が搭載
第3世代 V-NANDは画像右側の3D V-NANDの強化版といったところです。
2D V-NANDはデータを2方向(縦×横)で保存していきます。
これだとデータ量が増えていくにつれて、容量の限界が問題視されていました。
3D V-NANDにすることで、3方向(縦×横×高さ)への保存を可能にしたので、大容量化を実現できたのです。
さらにアクセスの高速化にも貢献しています。
データ間を広々と保存することで、データ同士のぶつかり合いも無くなり、エラーが起こりづらいという特徴もあります。
MLCによる書き込み
引用元:Wikipedia
SSDを構成しているのが、「NAND素子」です。
そのNAND素子には、SLC、MLCと呼ばれる方式でデータ格納が行われます。
今回の第三世代ハイスピードプロSSDには、「MLC」が選ばれています。
- SLC(Single Level Cell)
- MLC(Multi Level Cell)
この2つの違いについて説明します。
SLCは1つの記録素子に1ビットのデータ記録を行います。
MLCは1つの記録素子に2ビットのデータ記録を行います。
MLCの場合は、1つの記録素子に2つデータを保存するので、大容量化しやすいということです。
ただし、SLCにはMLCに無い高速な書き込みと高い耐久性を持っている特徴
があります。
SLCは高品質ゆえに価格が高くなってしまうこともあり、一般的なパソコンへの導入というより企業のサーバーなどへの導入がメインになっていくようです。
MLCはコストが安くて大容量化も可能です。
一般的には、MLCが浸透していくと思われます。
ちなみに、PCI Express接続を利用しているので、MLCでも体感ではものすごく高速です。
市場の流れによるものと予想
引用元:PC Watch
SSDの価格は年々の下落が大きくなっています。
昔ほど「高額」という認識でもなくなってきています。
そうなれば、SSDでもHDD並の大容量を求める声も高くなってくると思います。
他メーカーが最大1TBのSSDが搭載できる中、VAIO Zは最大512GBのSSDまでしか選択出来ませんでした。
しかし、今回から最大1TBのSSDが選択可能ということで大容量を求めるユーザにも選びやすいモデルになったと思います。
ソニーストアの価格情報
第三世代ハイスピードプロSSDの価格は、今までの第二世代ハイスピードSSDと比較してもそこまで価格差はありませんでした。
今までの第二世代ハイスピードSSDから約1.2~1.4倍の高速化を実現していることを重視しながら、価格差にも注目してください。
VAIO Z フリップモデル
容量 | 第三世代ハイスピードプロSSD(NVMe) | 第二世代ハイスピードSSD(NVMe) |
---|---|---|
1TB | +125,000円 | - |
512GB | +65,000円 | +60,000円 |
256GB | +25,000円 | +20,000円 |
128GB | +5,000円 | +0円 |
価格は、第二世代ハイスピードSSD(NVMe)128GBを基準にしたものです。
1TBは512GBの約2倍ほどの価格で、SSDの性能から考えても納得のいく数字です。
512GB以下の価格差は、5,000円ほどの違いです。
第二世代ハイスピードSSDに比べると、性能面・価格ともにかなりオススメです。
VAIO Z クラムシェルモデル
容量 | 第三世代ハイスピードプロSSD(NVMe) | 第二世代ハイスピードSSD |
---|---|---|
1TB | +125,000円 | - |
512GB | +65,000円 | +60,000円 |
256GB | +25,000円 | +20,000円 |
128GB | +5,000円 | +0円 |
価格は、第二世代ハイスピードSSD 128GBを基準にしたものです。
クラムシェルモデルはフリップモデル同様の価格です。
クラムシェルモデルで、第三世代ハイスピードプロSSDを選択する場合は、OSにWindows10を選ぶ必要があります。
Windows7選択時は、第二世代ハイスピードSSDを搭載ということになります。
NVMe対応のSSD選択には、Windows10搭載モデルを選択しなければならないからです。
フリップモデルはWindows10のみの選択になる為、第二世代ハイスピードSSDはNVMe対応です。
NVMeとは?
まとめ
今回からVAIO Zに搭載できるようになった「第三世代ハイスピードプロSSD」は現在のPCI Express接続の限界を引き出したとも言われるほどの性能です。
第二世代ハイスピードSSDを体感する限りでも、ものすごく快適でストレスフリーでした。
第三世代ハイスピードプロSSDは更にその約1.2~1.4倍という数値なので、大きいデータなどの移動やコピーでもかなり差が生じるはずです。
VAIO社の掲げる「快」に限りなく近づけることは間違いないと思います。
VAIO Z 実機レビュー
商品リンク
VAIO Z フリップモデル
>>ソニーストア「VAIO Z フリップモデル」製品情報ページ
>>VAIO Z フリップモデル カスタマイズ購入徹底ガイド
VAIO Z クラムシェルモデル
>>ソニーストア「VAIO Zクラムシェルモデル」製品情報ページ
>>ソニーストア「VAIO Zクラムシェルモデル」購入ページ
>>VAIO Z クラムシェルモデル カスタマイズ購入徹底ガイド
>>ソニーストア「VAIO Zクラムシェルモデル」スペック表
台数限定モデルが発売
2017年1月31日から「VAIO Z 勝色特別仕様」「VAIO S13 オーナメント仕様」が台数限定で発売されました。
2017/02/03