VAIOの「タッチパネル」についてまとめてみた
今回は、2017年1月現在でVAIOに搭載されている「タッチパネル」について調べてまとめてみました。
まずは、「タッチパネル」というものの仕組みや動作方式について調べてみました。
目次
タッチパネルについて知る
タッチパネルは日常生活で、いたるところに採用されているのであまり珍しいものでもなくなりました。
上記のように、スマートフォンの普及とともに身近なデバイスとして広く浸透したと言えます。
タッチパネルとは、wikipediaの概要はこのように説明されています。
タッチパネルは表示と入力の2つの機能を備えており、コンピューターなどの外部から受けた画像情報を液晶ディスプレイなどで表示すると共に、操作者がその画面に表示された絵やピクトグラムなどの点または領域に手で触れたり専用の「スタイラス」などと呼ばれるペンや一般のペンで圧力を加える等により、触れられた画面位置の情報を感知して外部へ情報信号として出力する。外部装置が画面での位置情報に基づいて、操作者が望む適切な動作を行なう。
引用元:wikipedia
タッチパネルとは表示機能と入力機能を同時に行っているということです。
似たような機能ではありますが、ノートパソコンによく搭載されているタッチパッドなどの指で触って指示を出すデバイスは、入力機能はあるが表示機能が無いのでタッチパネルとは言われません。
パソコンにおいてはタッチパネルの性能も飛躍的に上がったことで操作性は従来のマウス操作よりも勝っているという声もあります。
少し前までは、1点を検出する仕組みだったことで操作のしばりやレスポンスの悪さが顕著に表れていた場合もありました。
しかし、最近の「マルチタッチスクリーン」などの複数点を検出する仕組みになったことで大幅に性能が上がったと言えます。
そのほかに、タッチパネルの動作方式もそれぞれ異なるので、使い勝手において大きく差が出てきたときもありました。
タッチパネルの動作方式について
方式についてはwikipediaを参考にしています。
マトリクス・スイッチ
碁盤の目のように電極スイッチが並べられていて、操作するときに押された場所を縦と横の位置情報で検出する仕組みです。
引用元:wikipedia
本来はもっと細かく並べられていて位置情報を把握して適切な動作を行っています。
マトリクス・スイッチ方式では、位置を把握する際に大雑把な位置しか検出することができませんでした。
それは携帯機器などのコンパクトなサイズのものには特に致命傷で、採用するのが困難な装置と言われていました。
また、表示に関する部分をマトリクス・スイッチに合わせた設計になるので、汎用性に欠けるという問題もありました。
なので、そこまで採用されることの無かった方式とも言えます。
抵抗膜方式
マトリクス・スイッチの後継で登場した方式です。
これは2つの金属薄膜を用いた方式で、それぞれの金属薄膜には抵抗が発生します。
抵抗の生じる1枚に対して電圧をかけておくと、操作したときに位置に応じた電圧が2枚目に発生します。
その電圧を検知して、操作した場所を特定するという方法です。
しかし、この抵抗膜方式にも欠点は2つ存在しています。
1つ目は面積が大きくなればなるほど精度が下がる事です。
2つ目は金属薄膜を2枚必要とするので、透明度が下がってしまうことがあります。
小面積の機器には低コストであるという理由で現在でも多くに使われています。
複合機の液晶パネルや低価格の液晶デバイスなどに採用されています。
また特徴としては、圧力をかけると反応するので、指以外でも反応することがあります。
カーナビやニンテンドーDSなどに使われている方式です。
表面弾性波方式
表面弾性波方式は、前者の抵抗膜方式の欠点であった「透明度の低さ」を解決するために開発された方式です。
剛性の高いガラス基盤に複数(画面の隅)の圧電素子を取り付けて、振動波を発生させます。
タッチして触れることで触っている部分が固定点になり、振動波はそこで吸収されて一部は跳ね返されます。
その跳ね返りによって、圧電素子の電圧が発生し検知します。
別名では、「超音波方式」とも言われています。
前者の抵抗膜方式に比べると視認性にも優れていて、構造は強固で寿命を長くしている特徴を持ちます。
面積において使う素子が少なくて済む点から大画面の機器にも搭載されています。
強固な仕様ということもあって公共端末にも多く使われている方式です。
赤外線方式
主に赤外線LEDを使い、透過型の場合はこの赤外光を遮断することで位置を検出する仕組みになっています。
赤外線方式の場合は日光による影響を強く受けるので野外での使用が制限されているなどの制約があり、あまり採用されることはありませんでした。
電磁誘導方式
この方式では操作・入力に電子ペンを用いて行います。
本来は、タッチパッドのような画面表示のない位置検知に使われていた方式でしたがセンサー部を液晶画面の下側に配置して表示部との共存に成功させた方式です。
高い読み取り精度を持ち、最近では電子ペンだけではなく指での操作・入力も可能にしています。
静電容量方式
静電容量方式・投影型
引用元:wikipedia
静電容量方式には、「表面型」と「投影型」の2つ種類があります。
共通点は、指先と導電膜の間に生じる静電容量の変化を捉えて位置を検知しているところです。
画面に指が近づくことで静電結合が起きる性質を使って、触る前からカーソル表示をするなどの表現や操作を可能にしています。
ちなみに、静電的で導電性のある物体(電気を通すもの)で押さないと反応しない点や、水滴による誤作動も起こるので水中では反応しない仕様です。
「表面型」と「投影型」の違いについて
表面型
表面型は、カバー・導電膜・ガラス基板の3層から形成されていて、導電膜はガラス基板の上に張り付いてガラス基板の四隅に電極が設けられます。
これによって、均一な電界が作られています。
そこに指が触れると駆動回路から微弱電流が「隅の端子」「導電膜」「カバー」をすり抜け指を経由して、周辺環境(大地など)と駆動回路との間を閉じてしまいます。
駆動回路側が四隅の端子の電流量の比率を計測することで指の位置を判別するという仕組みです。
この表面型の特徴は、仕組みが投影型よりも簡単で安価に作ることができるということです。
また仕様上、大型化しやすいというメリットがあります。
投影型
投影型は、演算処理を行うICを搭載した基板上に特定のパターンで並べられた「透明電極」の層を配置して表面にガラスやプラスチックを重ねてあります。
特定のパターンで並べられた「透明電極」とは、マトリクス・スイッチ方式で紹介した碁盤のように配置されたものというイメージです。
指で触られると複数の電極間の静電容量が変化して、電流量の比率を測定して高精度に位置を特定しています。
iPhoneなどに搭載されている方式なので高速反応かつ高精度のマルチタッチを実現しているのは間違いないと言えます。
小型端末に搭載される機会が今後多くなっていて、注目度の高い方式です。
VAIOに搭載されているタッチパネルとは?
モデル名 | 搭載可否 | タッチパネル方式 |
---|---|---|
VAIO S11 | × | × |
VAIO S13 | ◎ | 静電容量方式 |
VAIO S15 | ◎ | 静電容量方式 |
VAIO C15 | × | × |
VAIO Z フリップモデル | ◎ | 静電容量方式 |
VAIO Z クラムシェルモデル | × | × |
VAIOでタッチパネルが搭載できるモデルは「VAIO S13」「VAIO S15」「VAIO Z フリップモデル」の3モデルです。
方式はすべて「静電容量方式」が採用されています。
VAIOのタッチパネルは購入時に選択できるモデルなので、同名モデルでもタッチパネルが搭載されていない場合もあります。
VAIOは表面型?投影型?
VAIOのオフィシャルページでは、「静電式」として書かれていないので確信ではありませんが、VAIO S13とVAIO Zは「投影型」を採用していると思います。
VAIO S13とVAIO Zが投影型だと思うのは、同時に5か所をタッチしても全て反応している点でそう思います。
投影型の特徴でもある「多点検出」に対応しているということです。
2本や3本での繊細なタッチ操作にもVAIO S13とVAIO Zは対応しているので、「静電容量方式・投影型」という線が非常に強いです。
VAIO S15は表面型?
VAIO S15に関しては、先ほどの「多点検出」においてVAIO S13やVAIO Zほどの正確性ではない事と、表面型の特徴として「大型化しやすい」という点から「表面型」の可能性が高いと思います。
VAIO S15 タッチパネルについて重要なお知らせ
ソニーストアでのカスタマイズ時にVAIO S15では、タッチパネル搭載モデルが一部構成で「入荷待ち」の表示になっています。
詳細を調べていくと、VAIO(株)の供給終了で今後入荷の予定がないみたいです。
現状では、「タッチパネル」を購入できる構成もありますが、時期によって「入荷待ち」になってしまう場合があります。
VAIO S15自体はタッチパネル非搭載モデルとして今後も継続販売されます。
まとめ
VAIOのタッチパネルは2017年1月現在では、静電容量方式のみの採用で今後は「投影型」のタッチパネルが多く搭載されていくであろうと思います。
VAIO S15に関しては、タッチパネルの供給が終了してしまったのが残念です。
今後のVAIOでは、タブレットとしても使えるVAIO Zとデスクワークとモバイルワークにおいて操作性を少しでも向上させようとするVAIO S13がメインでタッチパネル性能も強化されて行くだろうと予想します。
また新モデルが発表されるときにタッチ操作を軸にしたあのVAIO Z Canvasのような操作性を持った新モデルも出るかもしれませんね。
2017/02/14