今後のVAIOに搭載されるのか?USB Type-Cについて
予想では、そろそろ新製品のVAIOが発表されてもおかしくない時期に近づいてきましたが、今後のVAIOに搭載されていくであろう規格の「USB Type-C」について今回詳しく調べてみました。
2017年1月現在で全VAIOの中では、VAIO S11しか搭載していない規格になります。
使用イメージとしては、USB Type-Cを接続することで複数の周辺機器とリンクさせて使っていくようなイメージです。
VAIO本体のUSB Type-Cへの接続は1本のケーブルで対応させる事ができて、画像のようにステーションを接続して、より多くの周辺機器との接続を行えます。
薄型のノートパソコンでは、インターフェースの種類や数に若干の物足りなさを感じる機種もありますが、USB Type-Cによる接続でそういった機種にもより高い拡張性を提供できるようになったと思います。
目次
USB Type-Cの概要
引用元:wikipedia
USB Type-Cは従来のケーブルコネクター「Type-A」と「Type-B」を新規格にしたものです。
コネクターの新規格化に加えてケーブルにおいての規格も新規格のものに変更されたものが「USB Type-C」と呼ばれるものであります。
従来のコネクター「Type-A」「Type-B」とは?
引用元:wikipedia
引用元:wikipedia
「Type-A」は右から一つ目のコネクターです。
パソコン本体のUSBポートに差し込んでいるあのコネクターは「Type-A」になります。
右から、「Type-A」のソケット(Type-Aの受け口)、「Type-B」コネクター、「mini-B」コネクター、「micro-USB」コネクターになります。
「Type-B」はプリンターなどへの接続に用いられます。
USB2.0での規格では、「Type-A」「Type-B」とも4ピンによりデータ通信が行われています。
「mini」「micro」では、その4ピンに加えて一つピンが追加されて「5ピン」によってデータ通信が行われます。
ちなみに「Type-C」では、24ピンを使ってデータ通信を行います。
USB 世代別規格について
USB 世代 | 転送速度 | 最大ケーブル長 |
---|---|---|
USB 2.0 | 480Mbps | 5m |
USB 3.0 | 5Gbps | 3m |
USB 3.1 Gen1 | 5Gbps | 3m |
USB 3.1 Gen2 | 10Gbps | 1m |
USB2.0以前のUSB規格では最大転送速度12Mbpsでしたが、USB2.0からHigh Speedモードが追加されたことで最大480Mbpsまでの転送速度を実現していました。
そこから、USB3.0へ規格が進化したことで、最大5Gbpsの高速データ通信を行えるようになりました。
更に長く普及していたUSB2.0との互換性も確保されていて、速度を引き出すには対応したケーブルを接続しなければならないが、使用にはほとんど影響がありません。
またUSB3.0から増設時に使用するインターフェースカードがPCI Expresss接続に対応したことから安定した高速通信を行えるようになっています。
(主に自作パソコンの増設時に使用します。VAIOなどのノートパソコンでは増設はほぼ出来ないです。)
その後、USB3.1が登場して、USB3.1 Gen2モードでは、最大10Gbpsの転送速度を実現しています。
ただしUSB3.1 Gen1モードでは、USB3.0と転送速度が変わりない点とGen2ではケーブルも対応したものを使わなければいけない点を把握しておきましょう。
USB Type-Cの特徴
引用元:wikipedia
USB Type-Cは2014年8月に最終制定策定された次世代規格です。
USB3.1の規格とほぼ同時に制定策定されています。
スマートフォンなどの携帯(小型)端末向けのサイズと、USB Power Deliveryへの対応、リバーシブルで差し込むことができるコネクターなどの特徴を持っています。
全部で24ピンによるデータ通信を行えて、このピンの中にはSuperSpeed対応データバスや電源のピンなどマルチに対応させるために24ピン用意されています。
ピン数が多くあることによって様々な規格と相性を合わせることができるイメージです。
Type-Cが対応していない機器には「Type-A」や「Type-B」への変換器を用いることで接続することはできます。
オルタネートモードとは?
USB Type-Cの特徴として、「オルタネートモード」というものが搭載されています。
このオルタネートモードは、USB以外の方式でデータの送受信を行っている機能のことです。
なぜ、USB Type-Cでこれだけ多くの周辺機器をつなげられるのか?
となったときにそれを解決しているのが「オルタネートモード」なんです。
オルタネートモードが搭載されていることによって、HDMIやDisplayPortのUSBでデータ転送できないデータを送受信することができるようになっているんです。
ただし気をつけなければならないのが、接続相手がオルタネートモードに対応している規格である必要があるということです。
wikipediaを参考にした場合は、以下のように対応が進んでいます。
DisplayPort | 2014年9月 バージョン1.3以降に対応 |
MHL | 2014年11月登場 |
Thunderbolt | 2015年6月 Thunderbolt 3に対応 |
HDMI | 2016年9月 HDMI1.4bに対応 |
2016年9月に発売されたオルタネートモードに対応したHDMIケーブルはアダプタを介さずに接続できるようにもなっています。
USB Power Deliveryについて
USBの動作モードとして、「USB Power Delivery(USB PD)」と呼ばれて、供給電力の大きさが大きくなった規格のことです。
USB3.1 Gen1(USB3.0ポート)では、最大5V・900mA(4.5W)まで電力供給を行っていましたが、USB PD対応機器では最大20V・5A(100W)までの電力供給が行なえるようになっています。
最大で100Wまで電力供給できるので、一つ電源さえあればパソコンとの周辺機器への電力供給も可能になります。
引用元:ラトックシステム株式会社
現状では、VAIOに搭載されていないので今後搭載が期待される規格でもあります。
現行のVAIO S11にも搭載されるようになれば、電力供給とデータのやり取りをケーブル1本で行えるので簡易的にも省スペースにもつながります。
また使っていないときの省電力化や、タコ足配線による火災の心配も取り除かれるので、すごく魅力的な機能と言えます。
USB超入門(2)USB Power Deliveryとは?[RATOC]
USB Type-C対応の周辺機器接続について
USB Type-Cを用いて対応した周辺機器との接続についての注意点などのまとめです。
ケーブル・コネクターの違い
C to C ケーブル
コネクターの両方に「Cコネクタ(Type-C)」を持つケーブルです。
画像のケーブルはUSB3.1 Gen1対応になっているので、転送速度は最大5Gbpsになります。
(紹介しているケーブルはGen1対応ですが、同じC to C ケーブルでの規格によって転送速度は異なります。)
この「C to C(ケーブル両端のコネクターがType-C)」のケーブルで、USB Type-Cのポートを持つパソコンとCコネクタを搭載した小型端末などと接続を行うためのケーブルになります。
A to C ケーブル
コネクターの片方がそれぞれ「Aコネクタ(Type-A)」と「Cコネクタ(Type-C)」で接続できるケーブルです。
従来のUSBポートへ利用することができるので、最近のType-Cポートを搭載したスマフォなどを接続するときにも便利なケーブルです。
USB3.1 Gen1対応のものもあり、特徴としてはAコネクタが青く色付けされていることです。
ちなみに同型のコネクタでも白色の場合では、USB2.0の規格になってしまうので、転送速度が遅くなってしまいます。
従来のパソコンと最新のスマフォなどとの互換性も高いので、使う需要も多いと思います。
C to microB ケーブル
コネクタにType-CとmicroBを搭載するケーブルです。
パソコンなどに搭載されているType-CポートとAndroidのスマフォを接続するときに重宝します。
今後のスマフォとパソコンとの接続には需要が高くなるケーブルです。
拡張ハブの種類・選び方
拡張ハブを用いることで、さまざまな周辺機器と連携させることができます。
またハブによって搭載されているポートが異なるので、接続できる種類を把握してハブ選びに役立てましょう。
標準的な拡張ハブは4つ程度のポートをバランスよく搭載しているものが多く流通しています。
このELECOMさんの拡張ハブの場合は、Type-Aコネクタ×2、Type-Cコネクタ×2を搭載しています。
さらに、USB3.1 Gen1の規格にも対応しているので最大転送速度は5Gbpsまで出すことができます。
電源不要でType-Cポートを差し込んで使えることで、簡易的に接続してバランスよく使える拡張ハブです。
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あとは、HDMI出力やUSB PDに対応した拡張ハブもあります。
これもELECOMさんから発売されている拡張ハブ(ドッキングステーション)です。
このハブの特徴は、USB Power Deliveryに対応している点とHDMI出力(1920×1080対応)できる点です。
Type-Aのポートが2つとType-Cポートは2つあるが、一つはデータ転送用でもう一つは給電用のポートになります。
その給電ポートを利用することで、パソコン本体をUSB経由で充電しながら、他のUSBデバイスも使えるというUSB Power Delivery機能を活用することができます。
HDMI出力にも対応しているので、この拡張ハブから映像拡張を行っていくのは主流になるかもしてません。
VAIO S11はHDMI出力が廃止されてUSB Type-Cから映像拡張をするような仕組みに近づけて設計してあります。
なので、今後のVAIOでもHDMIの変わりにUSB Type-Cが搭載されていくのではないかと思います。
選び方としては、HDMI出力やUSB Power Delivery対応なのかというのは重要な部分なので、重視しましょう。
ただ外付けのSDDやUSBメモリーなどの接続しかしない場合では、標準的な4ポート程度の拡張ハブで良いと思います。
今後のVAIOに搭載される可能性について(予想)
今後VAIOの新モデルにこの「USB Type-C」が搭載されていく可能性は大いにあると思います。
今のところでは、VAIO S11のみが搭載していることでS11はモバイル特化ながらも、他のVAIO S13やVAIO Zに劣らないほどの拡張性を備えています。
VAIO S11のUSB Type-CポートとVAIO ZのHDMI出力ポートを比べてみても、まず本体の薄型化にも一役買っているほどにType-Cは省スペースです。
それに加えてのハイスピードと拡張性の高さを持っているので、個人的にはVAIO S13とVAIO Zには搭載されると予想しています。
今後は、USB Type-Cの搭載とUSB Power Deliveryの搭載が個人的には注目すべき点です。
間違いなくこの2つの機能が付けば便利で使いやすい環境にすることができますから。
予想では2017年2月ごろに新モデルが発表されるのでは?と予想していますが、それに加えてUSB Type-CやUSB Power Deliveryも搭載となればもの凄いモデルになりそうですね。
次期モデルの発売時期予想記事はこちらです。
2017/02/28